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​パラグアイの政治と歴史の移り変わり

パラグアイは長い植民地の時代を抜けてスペインから独立した後、三国戦争による人口の減少と独裁政権をへてようやく共和制国家の道を歩き出した。

今回は1536年~の歴史と移り行く政権を見ていこう。

1536年~2008年

1536年スペイン人がアスンシオンに到着し、そこから長い間植民地支配されていた。この頃にダンサ・パラグアージャを含めて様々な文化がうまれたのだ。

そして1811年スペインから独立。1864〜70年対三国(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ)戦争で国土、人口の半分を失った。なお、半分と書いているが死者はほとんどが戦争に参加した男性であり、その実に80%が死んだとされている。

その当時、パラグアイは「木の上から女性が降ってくる国」と呼ばれていた。この理由はもちろん、子孫を繁栄させるためだ。もちろんこれは冗談であるが戦争が作る不幸はいつの時代もいたたまれないものだ。

その後、1932〜35年チャコ戦争でボリビアに勝利。1954年クーデターによりストロエスネル将軍が政権を掌握し、1989年2月のロドリゲス将軍によるクーデターで倒壊されるまでの35年間あまり軍事独裁政権下にあった。

ロドリゲス政権により1992年 に憲法が改正され、翌93年には39年ぶりの文民政権としてワスモシ政権誕生。 民主化後、赤党より3代の大統領が就任したが、2008年4月の総選挙で、野党連盟のルゴ(元司教)新政権が勝利、61年間の赤党政権が崩壊した。

ルゴ政権時代

2008年8月に発足したルゴ政権 (中道左派) は、公立外来医療・緊急医療の無料化(IPS)に成功したり、汚職の摘発等で一定の成果を上げたものの、土地無し農民を巡る問題、治安の悪化、司法改革等については、具体的な成果を上げることはできなかった。

このような状況において、2012年6月に死者17名を出した土地無し農民と警察官の衝突事件を契機に、議会で行われたルゴ大統領 (当時) に対する弾刻加裁判において、同大統領が弾刻されたことに伴い、フランコ副大統領が大統領に昇格し、フランコ政権発足した。

フランコ大統領は、2013年8月までの任期において基本的に前政権の政策を継続する意向を示しており、社会政策、農村開発及び産業化の促進、治安対策に取り組む姿勢を見せている。

ルゴ政権下においては、「国家開発計画」は策定されず、政府開発方針である「社会経済戦略計画(2008-2013)」 をもとに開発計画が進められてきた。

同戦略計画は、市民社会と民間セクターの参加による経済開発、社会開 発の推進、行政機構の再編成の推進、法的安全性、競争の増加、継続的な雇用の創出を通じた生活改善・社会 の安定を保障するための貧困、不公正、汚職の削減を目指している。

そして、2010年には、特に経済面に重点 を置いた上記戦略計画を補う形で、社会面に重点を置いた「社会開発のための公共政策 (2010-2020)“全国民 のためのパラグアイ”」が策定され、2012年フランコ政権に引き継がれている

 

オラシオ・カルテス政権

フランコ副大統領が退任の後、2013年4月21日の大統領選挙で保守派のオラシオ・カルテス氏が大統領に就任した。カルテス氏は企業家で、特にパラグアイ国、屈指の人気サッカー・クラブ、リベルタッドのオーナーとしても有名だ。

しかし、2000年には麻薬取引、10年にはマネーロンダリングで告発されている、さらに煙草の違法取引にも関与しているとされ、伯国人が吸う煙草の13本に1本は同氏のグループによる密輸品だといわれている。

またパラグアイ市民に聞けばかならず出てくるのが企業家としてではなく、麻薬の密売組織で事業を拡大したといわれており、悪名は高い。しかし事実はわからない、その為、今回は筆者の思いは抜きにして事実を書いていこう。カルテス氏は今後の方針としてインフラの整備、貧困対策、そして投資による経済成長、国内外の企業との官民連携の下,公共事業の推進などを掲げている。

なお、2015年9月に世論調査会社 Ibope CIES がアスンシオン市及びセントラル県の18歳以上の400人を対象にアンケートを実施したところ、過半数が政権運営に対して否定的な意見を示しており、2013年の大統領選挙で出した公約のなかで雇用創出、治安改善・犯罪撲滅、保健システム改善、貧困撲滅・景気改善、教育システム改善などの公約はいまだ改善されていないという意見が多かった。

それに加えてカルテス氏が就任してからは治安が悪化したと80%の市民が感じており、EPP(左翼組織)の対応にはおよそ9割の市民が不満を示している。その他にもパラグアイの土地なし農民問題もいまだに解決はされていないし、パラグアイ国各省に蔓延する身内びいき職員不労働問題も解決はしていない。

国内外ともに問題が山積みのパラグアイ国の舵取りを今後、どのようにとっていくかカルテス氏の得意とする経営手腕が試されているといってよいだろう。

 

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